本文へスキップ
Plasma Lab., Tokyo Denki University

研究概要INTRODUCTION

研究テーマ

表示デバイスに関する研究(液晶、EL、フォトリフラクティブデバイス)

 近年,数々の表示デバイスの研究開発が行われています.各種表示デバイスは色々な光機能材料によって構成されており,各材料に最適な現象を利用して表示デバイスとして機能しております.中でも,自発光タイプのエレクトロルミネッセンス(EL)デバイスは非発光タイプの液晶デバイスに代わる薄膜ディスプレイとしての機能を有するため注目されております。
 当研究室では,これら自発光タイプの有機EL,無機ELデバイスに関する研究を行っております.また,非発光タイプの液晶デバイスだからこそ可能な,反射光でも透明状態と着色状態を切り替えられ,目への負荷を軽減させるカラー液晶デバイスに関する研究も行っております.このような従来のデバイス以外にも3D投影技術に関する研究などにも力を入れ始めております.
 今後の社会の変化(産業構造の変化)に柔軟に対応できるためにデバイス・材料の知識に限定せず,駆動・測定回路設計,制御プログラム,3Dプリンター(CAD)による治具設計など一貫して行っていきます.どの業界においても新しいシステムを提案するためには全体像を把握することは必要不可欠ですので研究をする過程で理解していってもらいたいと思います.

電気化学デバイスに関する研究(電子ペーパー、太陽電池)

 近年,次世代のエネルギーデバイスでもあるリチウムイオン電池などを中心に数々の電気化学デバイスの研究開発が行われています.また,電気化学デバイスはエネルギー分野だけに限定されず,使い方次第では表示デバイスなどの他の分野での応用も期待できます.現在これらのデバイス開発は発展途上であり,様々な材料,現象を利用した作製方法が提案されています.
 当研究室では,これら電気化学デバイスの中でも “太陽電池”, “カラー電子ペーパー”に注目しております.各種デバイスを作製し,性能評価用の電子回路設計を行い機能発現のメカニズムを解明することを目的としております.

グロー放電の基礎研究(プラズマパラメータ解析、新規解析法の開発)

 グロー放電(プラズマ)を利用した技術は,主に薄膜製造技術(スパッタリング)に使用されています.近年,半導体の高集積化が進むと共に,更なる精密な製造プロセスの制御が要求されます.このプロセス制御のためにもより高度のプラズマパラメータ(電子温度,イオンエネルギー分布など)の把握が必要不可欠となっています.このようなプロズマパラメータの測定法として“プローブ法”が使用されております.
 本研究では,駆動方法を変えた(高周波パルス放電のバースト放電)プラズマの基礎的な振る舞いや特性を解明する研究を行っております.加えて,複雑な解析を伴う従来の“プローブ法”を,より簡略化して解析できる新しい“プローブ法”に関するシステム開発も行っております.

グロー放電の応用研究(大気圧プラズマジェットの開発、水処理への応用)

 近年,大気圧条件下で発生させたプラズマは,その利便性から半導体製造工程以外での応用が期待されています.例えば,水処理分野,プラズマ脱臭といった空調分野,医療・植物工場といった次世代の産業など幅広い応用が期待できます.その中で,各用途に適した大気圧プラズマ照射装置の開発,および開発した照射装置がどのような影響を与えるのかを系統的に研究する必要があります.
 当研究室では”時には”秋葉原”で部品を購入し,3Dプリンターで治具設計もしながら自作のプラズマ照射装置を開発しております.これにより装置を改造できるため,各条件がグロー放電特性に与える影響を系統的に研究することが可能になります.また,設計開発した装置の応用研究としてプラズマディスプレイ(蛍光体の発光特性),および水処理に関連する研究も行っております.プラズマ発生時の電荷移動プロセスを、Mathematicaを使用して電磁気学的に解析していくこともあります.




 研究設備に関しては,プラズマ生成,デバイス作製・評価装置などは揃っておりますので,積極的に使用してください.また,今後のものづくり(産業変化)に柔軟に対応できるためにデバイス・プラズマの知識に限定せず,回路設計,制御プログラム,3Dプリンター(CAD)などのツールもあわせて習得してもらいたいと思います.

 表示デバイス材料,プラズマ工学などの研究分野を通して,これまでの講義科目と実験科目で習得した“電子工学の基礎”を応用できるようになってもらいたいと思います.