窒化物半導体の研究概要

本研究グループは、Ⅴ族元素である窒素(元素記号:N)と
ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)等、Ⅲ族元素を用いた
半導体薄膜を成長し、評価/検討をおこない、
所望の特性を得るための成長条件の検討を行っています。

 

また、作製した半導体薄膜を用いたセンサデバイスなどの
作製や評価/検討なども行っています。

研究背景/目的

〇 アプリケーション
窒化物半導体は、発光ダイオード:LEDの材料として用いられており、
近年ではパワーデバイスにも用いられるようになりました。
窒化ガリウム(GaN)を主体として、GaやAlなどの混合比率を変化させると、
例えばLEDとして用いた場合には、発光色を変化させることができます。

 

〇 一般的な製造方法
一般的には「有害ガス」を用いた方法(MOCVD法)で製造されており、
排ガスの処理コストや原料利用効率の低さなどが指摘されています。
これらはすべて、コストとなってLEDの価格に上乗せされています。

 

〇 研究内容
本研究では、低コストで窒化物半導体を作製することを目的としています。
スパッタリング法と呼ばれる方法を用いて、デバイスグレードの半導体を作製しています。

研究成果

〇 Ga系ターゲットの作製
Gaは40 ℃程に融点を持ち、一般には扱いにくい材料です。
このGaを母材としたスパッタリングターゲットを、
所望の混合比率で, 安定的に作製する技術を開発しました。

 

〇 半導体薄膜の作製
スパッタリングターゲットの作製により、これまでに、
以下のような半導体薄膜の作製した実績があります。

・GaN ・AlN ・InGaN ・AlGaN
・Si doped GaN ・Mg doped GaN